耳鼻咽喉科・小児耳鼻咽喉科・アレルギー科・花粉症
かおる耳鼻咽喉科・アレルギー科

中耳炎

中耳炎とは、鼻から耳の奥へ入り込んだ細菌やウイルスによって、耳の奥が炎症を起こす病気です。

「急性中耳炎」、「滲出性中耳炎」そして「慢性中耳炎」などがあります。症状としては、耳の痛み、発熱、耳だれ、閉塞感がありますが、小さな子供では耳の痛みを訴えず発熱や黄色い鼻水のみのこともあります。
診断は、注意深い鼓膜の所見の把握が必須ですが、LEDライト付きCCDカメラの拡大観察により、診断しやすくなりました。鼓膜の発赤、滲出液やうみで腫れたりしています。

中耳炎の状態によって、治療方法が異なります。

急性中耳炎

最初の段階として抗生剤と鼻水を抑える薬で治療します。
炎症の程度によって治療の期間が異なりますが、早くて5日、長くて2週間程度かかります。

治療過程で滲出性中耳炎に移行することが多いです。大半が上気道感染をともなっていて、抗生剤内服治療だけではコントロールが困難なケースも多く、鼻汁の吸引やネブライザーなどの鼻炎や副鼻腔炎治療を早期に併用し、耳や鼻内の換気の改善がより有効とされています。

中耳炎の程度によっては膿が溜まり、鼓膜が腫れ、強い痛み、熱に悩まされることがあります。その場合は「鼓膜切開術」が行われます。
文字通り、鼓膜に2~3mm程度の穴をあけ、鼓膜の奥に溜まっている膿を除去します。切開された後の鼓膜は自然と閉じていきます。
乳様突起炎、乳突蜂巣炎などのさらなる合併症を防ぐ意味でも鼓膜切開が早期に必要な場合があります。

滲出性中耳炎

急性炎症をあまり伴わず、中耳に滲出液がたまっている状態です。急性中耳炎の治療過程で滲出性中耳炎に移行する場合もあります。鼓膜の奥に浸出液が溜まり、音が聞こえづらくなります。滲出液はプールやお風呂の水が入り込んだわけでなはく、鼓膜の奥から滲みでてきた液体です。
滲出性中耳炎の症状としては難聴、閉塞感、耳鳴りなどがありますが、乳幼児では訴えが少なく、黄色い鼻汁が続く場合、注意した方がいいです。
治療法としては、中耳の粘膜を元に戻す薬を服用したり、鼻水を抑える薬を用います。また、中耳炎を悪化させる要因である鼻にも焦点を当てた治療、鼻汁吸引やネブライザー治療を行います。
これらの治療の改善がみられない、または再発を繰り返すような場合には「鼓膜切開術」または「鼓膜チューブ挿入術」が施されます。
「鼓膜チューブ挿入術」とは、穴をあけた鼓膜にチューブを装着し、浸出液が溜まらないようにする手術です。

慢性中耳炎

中耳炎を繰り返し発症したり、治りが不十分であったりすると鼓膜の穴が開いたままになってしまう中耳炎です。すると穴から細菌が入り込み、膿や耳垂れがでるようになります。症状としては難聴と耳鳴りが現れます。

主に2種類の治療方針があります。

1 保存的治療

耳漏をとめて、できるだけ最近に感染しないようにします。耳洗や耳浴を行います。耳浴とは、抗生剤を耳から入れて、そのまま横になったままにすることで治療する方法です。

2 外科的治療

中耳の状態によって治療が変わります。良好な場合は鼓膜形成術が行われます。そうでない場合、すなわち難聴が改善されない鼓膜に空いた穴が大きすぎる、炎症がひどいときは鼓室形成術を受ける必要が出てきます。

耳が聞こえない、痛いなど異常を感じたら、すぐ医師に見てもらいましょう。